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瀬田久美子 優秀卒業論文 | 経済学研究科

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Academic year: 2018

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(1)

平 成

1

7 年 度 卒 業 論 文

「 株 主 総 会 の 現 状 と 課 題 」

所 属 ゼ ミ 石 田 眞 得 ゼ ミ

学 籍 番 号

1023010915

氏 名 瀬 田 久 美 子

(2)

目 次

は じ め に

第 1 章 株 主 総 会 の 概 要

1 . 意 義

2 . 権 限

3 . 招 集

4 . 決 議

5 . 小 括

第 2 章 株 主 総 会 の 現 状

1 . 近 年 に お け る 株 主 総 会 の 主 な 傾 向 ・ 特 徴

2 . 機 関 投 資 家 の 台 頭

3 . I T 化 の 進 展

4 . 小 括

第 3 章 株 主 総 会 の 課 題

1 . 新 会 社 法 に お け る 株 主 総 会 に 関 す る 見 直 し

2 . M & A と 株 主 総 会 の 役 割

3 . 結 合 企 業 体 と 株 主 総 会

4 . 小 括

(3)

は じ め に

近 年 、 コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス ( 企 業 統 治 ) に 関 す る 議 論 が 活 発 に な さ れ 、

世 間 の 注 目 を 集 め て い る 。 わ が 国 で は 、 バ ブ ル 崩 壊 後 、 企 業 の 相 次 ぐ 不 祥 事 の

発 生 や 倒 産 に 直 面 し 、 経 営 管 理 機 構 の あ り 方 が 中 心 に 問 わ れ て き た 。 し か し 、

最 近 で は 、敵 対 的 買 収 に 関 す る ニ ュ ー ス が 連 日 の よ う に 報 道 さ れ 、い っ た い「 会

社 は 誰 の も の な の か 」 と い う 議 論 が 盛 ん に な っ て き て い る 。 私 が 所 属 す る ゼ ミ

で も こ の テ ー マ が 幾 度 も 取 り 上 げ ら れ 、 私 は こ の 問 い か け に 興 味 を 抱 い た 。

そ ん な な か 、 私 は 会 社 法 の 授 業 の 中 で 、 株 主 総 会 の 場 が 最 近 大 き く 変 わ り つ

つ あ る と い う こ と を 知 っ た 。 か つ て の 日 本 企 業 の 株 主 総 会 は 、 六 月 末 の 特 定 の

日 に 集 中 し て 開 催 さ れ 、極 め て 短 時 間 の う ち に 散 会 し て い た 。し か し 、近 年 は 、

開 催 日 を 分 散 し 、 十 分 な 質 疑 応 答 の 時 間 を 確 保 で き る よ う に 変 化 し て い る と い

う の で あ る 。「 開 か れ た 株 主 総 会 」、「 対 話 型 株 主 総 会 」、「 I R 型 株 主 総 会 」、 こ

の よ う な 標 語 が 今 年 も 新 聞 各 社 の 見 出 し を 大 き く 飾 っ て い た 。

私 は 、 株 主 総 会 が コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス と の 関 連 に お い て も 重 要 な 役 割

を 果 た し て い る と 感 じ 、 株 主 総 会 に ス ポ ッ ト ラ イ ト を あ て る こ と に こ そ 、 会 社

は 誰 の も の か と い う 問 い か け に 対 す る 重 要 な キ ー ポ イ ン ト が 見 つ か る と 思 い 、

卒 業 論 文 の テ ー マ を 「 株 主 総 会 の 現 状 と 課 題 」 に 設 定 す る こ と に し た 。

ま ず 、 株 主 総 会 と は そ も そ も 会 社 に と っ て ど の よ う な 機 関 な の か 、 と い う こ

と を 明 ら か に し た 上 で 、 株 主 総 会 が 時 代 の 変 化 と 共 に な ぜ 、 ど の よ う に 変 わ っ

(4)

第 1 章 株 主 総 会 の 概 要

1 . 意 義

株 主 総 会 は 、 会 社 の 意 思 を 決 定 す る 最 高 機 関 で あ り 、 定 時 ま た は 臨 時 に 招 集

し て 開 催 さ れ 、会 社 の 基 本 的 事 項 の み を 決 定 す る 必 要 的 機 関 で あ る 。法 的 に は 、

商 法 第 2編 第 4 章 第 3 節 第 1 款 ( 第 230 条 ノ 10か ら 第 253 条 ) で 規 定 さ れ て

い る 。

2 . 権 限

株 主 総 会 は 、 商 法 ま た は 定 款 に 定 め ら れ て い る 事 項 に 限 り 決 議 す る こ と が で

き る ( 商 法 230 条 ノ 10)。 昭 和 25 年 商 法 改 正 前 に は 、 株 主 総 会 は 、 商 法 ま た

は 定 款 に 定 め る 事 項 ば か り で な く 、 そ の 他 あ ら ゆ る 事 項 に つ い て 決 議 を な し う

る 最 高 か つ 万 能 の 機 関 で あ っ た が 、 昭 和 25 年 商 法 改 正 に よ り 、 株 式 会 社 に お

け る 所 有 と 経 営 の 分 離 を 反 映 し て 、株 主 総 会 の 権 限 は 現 在 の よ う に 縮 小 さ れ た 。

し か し 、 株 主 総 会 は 、 会 社 の 基 本 的 事 項 を 決 定 す る と と も に 、 取 締 役 お よ び 監

査 役 の 選 任 権 ・ 解 任 権 を 有 し て い る こ と か ら 、 現 在 で も な お 会 社 の 最 高 の 意 思

決 定 機 関 で あ る と い え る 。

(a)法 令 に 定 め る 決 議 事 項

商 法 が 定 め る 株 主 総 会 の 決 議 事 項 は 、 次 の よ う に 整 理 す る こ と が で き る 。

① 会 社 の 基 礎 的 変 更 に 関 す る 事 項 と し て 、 定 款 変 更 (342 条 1 項 )、 資 本

減 少 (375 条 1項 )、 会 社 の 解 散 (4 0 4条 2 号 )、 合 併 (408 条 1 項 )、

営 業 譲 渡 (245 条 1項 1号 )、 株 式 交 換 (353条 1 項 )、 株 式 移 転 (365

条 1項 )、 会 社 分 割 (374条 1 項 ・374条 ノ 17 第 1 項 ) な ど

② 機 関 の 選 任 ・ 解 任 に 関 す る 事 項 と し て 、取 締 役 ・ 監 査 役 ・ 清 算 人 の 選 任 ・

解 任 (254 条 1 項 ・257 条 1 項 ・280条 1 項 ・417 条 1項 ・426 条 1 項 )

(5)

6 条 ) な ど

③ 取 締 役 等 の 権 限 濫 用 を 防 ぐ た め の 事 項 と し て 、 取 締 役 ・ 清 算 人 の 報 酬 決

定 (269 条 ・430 条 2項 )、 事 後 設 立 (246 条 ) な ど

④ そ の 他 株 主 の 重 要 な 利 益 に 関 係 す る 事 項 と し て 、計 算 書 類 の 承 認 お よ び

利 益 処 分 (283 条 1項 )、 新 株 の 有 利 発 行 (280条 の 2 第 2 項 ) な ど

( b ) 定 款 に よ る 権 限 の 拡 大

商 法 は 、 定 款 に よ っ て 株 主 総 会 の 権 限 を 拡 大 す る こ と を 認 め て い る 。(230 条

ノ 10)。

( c ) 権 限 の 委 譲 の 禁 止

株 主 総 会 の 法 定 事 項 は 、 株 主 の 利 益 に 重 要 な 影 響 が あ る た め 総 会 の 権 限 事 項

と さ れ た も の で あ る た め 、 会 社 は 定 款 を も っ て し て も 、 こ れ を 他 の 機 関 の 決 定

に 委 ね る こ と は で き な い 。

た だ し 、 株 主 総 会 が そ の 決 議 事 項 の 細 目 に わ た っ て ま で す べ て を 決 定 す る 必

要 は な く 、 基 本 的 と み ら れ る 事 項 に つ い て 決 定 が な さ れ て い れ ば 、 そ の 範 囲 内

で の 細 目 的 事 項 の 決 定 は 、 こ れ を 他 の 機 関 に 一 任 す る こ と は 認 め ら れ る 。

例 え ば 、 委 員 会 等 設 置 会 社 以 外 の 会 社 の 取 締 役 の 報 酬 決 定 に つ い て は 、 商 法

269 条 で 株 主 総 会 の 権 限 と さ れ て い る が 、 株 主 総 会 に お い て そ の 最 高 限 度 額 が

決 定 さ れ れ ば 、 そ の 範 囲 内 で の 各 取 締 役 へ の 支 給 額 の 決 定 は 取 締 役 会 に 一 任 す

る こ と が で き る 。

3 . 招 集

( a ) 招 集 権 者

株 主 総 会 は 、 原 則 と し て 取 締 役 会 が 開 催 の 日 時 ・ 場 所 ・ 議 題 を 決 定 し て 、 代

表 取 締 役 が 招 集 手 続 を 行 う ( 商 法 231 条 )。

な お 、 小 規 模 会 社 な ど で 株 主 全 員 が 出 席 し 、 総 会 を 開 く こ と に 同 意 し て 決 議

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て の 株 主 が 同 意 し た 場 合 に も 、招 集 手 続 を 省 略 し て よ い と さ れ る( 商 法236条 )。

ま た 、 議 決 権 を 行 使 で き る す べ て の 株 主 が 、 提 案 内 容 の 示 さ れ た 書 面 ま た は 電

磁 的 記 録 に よ り 提 案 へ の 同 意 を 表 明 す れ ば 、 そ れ が 決 議 と み な さ れ 、 総 会 の 開

催 自 体 を 省 略 す る こ と も で き る ( 商 法 253 条 )。

例 外 と し て 、 株 主 が 総 会 を 招 集 で き る 場 合 が あ る 。6 ヶ 月 前 よ り 引 き 続 き 総

株 主 の 議 決 権 の 100 分 の 3 以 上 を 有 す る 少 数 株 主 は 、 会 議 の 目 的 事 項 と 招 集 の

理 由 を 記 載 し た 書 面 を 取 締 役 に 提 出 し て 、 株 主 総 会 の 招 集 を 請 求 す る こ と が で

き る ( 商 法 237 条 1 項 )。 こ の 請 求 後 、 遅 滞 な く 総 会 招 集 の 手 続 き が な さ れ な

い 場 合 、 ま た は 請 求 の 日 か ら 8 週 間 以 内 を 会 日 と す る 総 会 の 招 集 が な さ れ な い

場 合 は 、 請 求 株 主 は 裁 判 所 の 許 可 を 得 て 自 ら 総 会 を 招 集 す る こ と が で き る ( 商

法 237 条 3 項 )。

( b ) 招 集 時 期 ・ 招 集 地

株 主 総 会 に は 、招 集 の 時 期 を 標 準 と し て 、定 時 総 会 と 臨 時 総 会 に 分 け ら れ る 。

定 時 総 会 は 、毎 年 1回 一 定 の 時 期 に 招 集 し な け れ ば な ら な い( 商 法234 条 1 項 )。

年 2回 以 上 利 益 配 当 す る 会 社 は 、 決 算 期 ご と に 総 会 を 招 集 し な け れ ば な ら な い

( 同 条 2 項 )。 定 時 株 主 総 会 は 、 計 算 書 類 の 報 告 ・ 承 認 と 利 益 処 分 が 目 的 事 項

で あ る が 、 他 の 事 項 ( 取 締 役 の 選 任 、 定 款 の 変 更 、 合 併 な ど ) を 決 議 す る こ と

も で き る 。 臨 時 総 会 は 、 必 要 に 応 じ て 随 時 に 招 集 す る こ と が で き る ( 商 法 235

条 )。 定 時 総 会 と 臨 時 総 会 は 、 招 集 の 時 期 に よ る 区 別 で あ り 、 招 集 手 続 き や 決 議

事 項 に 差 異 は な い 。

総 会 の 招 集 は 、 定 款 に 別 段 の 定 め の な い と き は 、 本 店 所 在 地 ま た は そ の 隣 接

地 で 招 集 し な け れ ば な ら な い ( 商 法 233 条 )。 故 意 に 株 主 が 出 席 で き な い よ う

な 不 便 な 場 所 や 時 間 を 定 め た 招 集 は 、 著 し く 不 公 正 な 招 集 手 続 き で あ り 、 そ う

し た 招 集 に 基 づ く 総 会 決 議 は 、 決 議 の 取 消 原 因 と な る 。

( c ) 招 集 手 続

取 締 役 会 は 、 株 主 総 会 の 日 時 、 場 所 、 議 題 お よ び 議 案 を 定 め る が 、 株 主 に 出

欠 や 議 題 、 議 案 に つ い て 判 断 す る 機 会 を 与 え る た め 、 会 日 の 2 週 間 前 に 、 株 主

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た だ し 、 株 式 譲 渡 制 限 会 社 で は 、 定 款 で 最 短 1 週 間 ま で 短 縮 で き る ( 同 条 1 項

但 書 )。 ま た 、 株 主 の 承 諾 が あ る 場 合 に は 、 電 磁 的 方 法 に よ り 通 知 を 発 す る こ と

も で き る ( 同 条 2 項 )。

定 時 総 会 の 招 集 通 知 に は 、 原 則 と し て 、 計 算 書 類 お よ び 監 査 役 の 監 査 報 告 書

の 謄 本 を 交 付 し 、 ま た は 、 こ れ に 代 え て 作 成 さ れ た 電 磁 的 記 録 の 情 報 を 電 磁 的

方 法 に よ り 提 供 し な け れ ば な ら な い ( 商 法 283 条 2項 ・ 同 条 3項 )。

4 . 決 議

株 主 総 会 の 決 議 は 、 資 本 多 数 決 に よ っ て 行 わ れ る が 、 重 要 度 に 即 し て 以 下 の

4 つ に 分 類 さ れ る 。

( a ) 普 通 決 議

法 令 ・ 定 款 で 特 段 の 定 め が あ る 場 合 を 除 い て 、 総 会 の 決 議 は 、 総 株 主 の 議 決

権 の 過 半 数 を 有 す る 株 主 が 出 席 し ( 定 足 数 )、そ の 議 決 権 の 過 半 数 で 決 す る ( 商

法 239 条 1 項 )。 こ の 定 足 数 は 、 定 款 の 定 め に よ り 変 更 で き る た め 、 単 に 出 席

株 主 の 議 決 権 ( 数 を 問 わ な い ) の 過 半 数 で 決 議 が 成 立 す る 旨 を 定 款 で 定 め て い

る 会 社 が 多 い 。 た だ し 、 取 締 役 ・ 監 査 役 の 選 任 決 議 は 、定 款 の 定 め に よ っ て も 、

総 株 主 の 議 決 権 の 3 分 の 1 未 満 と す る こ と は で き な い ( 商 法 256 条 ノ 2・280

条 1項 )。

( b ) 特 別 決 議

一 定 の 重 要 な 事 項 に つ い て は 、 慎 重 な 判 断 を す る 必 要 が あ る こ と か ら 、 総 株

主 の 議 決 権 の 過 半 数 を 有 す る 株 主 が 出 席 し 、 そ の 出 席 株 主 の 議 決 権 の 3 分 の 2

以 上 の 多 数 決 で 決 す る ( 商 法 343 条 1 項 )。 こ の 定 足 数 は 、 定 款 で 総 株 主 の 議

決 権 の 3 分 の 1 未 満 と す る こ と は で き な い ( 同 条 2 項 )。 特 別 決 議 事 項 と さ れ

て い る も の は 、 会 社 の 基 礎 の 変 更 に 関 す る も の が 多 い 。

( c ) 特 殊 決 議

株 主 の 利 益 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼ す 事 項 を 決 議 す る に あ た り 、 特 別 決 議 よ り も

厳 格 な 決 議 要 件 が 課 せ ら れ る 。 ① 総 株 主 の 議 決 権 の 3 分 の 2 以 上 の 多 数 の 賛 成

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か つ 総 株 主 の 3分 の2以 上 の 賛 成 に よ り 株 式 譲 渡 制 限 の 定 款 変 更 が で き る(商 法

348 条 1項)。

( d ) 書 面 決 議

株 主 総 会 の 決 議 事 項 に つ い て 、 議 決 権 を 行 使 で き る 株 主 全 員 が 、 取 締 役 ま た

は 株 主 が 提 案 し た 事 項 に つ い て 、 書 面 に よ り 同 意 し た と き に は 、 総 会 決 議 が あ

っ た も の と み な さ れ る(商 法 253 条)。 こ れ は 株 主 総 会 の 開 催 の 省 略 を 認 め る も

の で あ る 。

参 考 文 献

* 鳥 山 恭 一 ・ 福 原 紀 彦 ・ 甘 利 公 人 ・ 山 本 爲 三 朗 ・ 布 井 千 博

「 会 社 法 初 版 」 学 陽 書 房 2 0 0 4年 P4 7−4 9、 P5 2−5 3

* 吉 原 和 志 ・ 黒 沼 悦 郎 ・ 前 田 雅 弘 ・ 片 木 晴 彦

「 会 社 法 1 第 4版 補 訂 版 」 有 斐 閣 2 0 0 4年 P7 9−8 1、 P8 5−8 6

* 蓮 井 良 憲 ・ 西 山 芳 喜

「 入 門 講 義 会 社 法 初 版 」 法 律 文 化 社 2 0 0 4年 P6 9−8 0

5 . 小 括

本 章 で 株 主 総 会 の 概 要 を 簡 単 に ま と め た が 、株 主 総 会 を 一 言 で 表 せ ば 、「 株 主

に よ っ て 構 成 さ れ る 株 式 会 社 に お け る 最 高 の 意 思 決 定 機 関 」 で あ る 。

株 主 総 会 は 、 定 時 株 主 総 会 と 臨 時 株 主 総 会 に 分 け ら れ る が 、 私 た ち が 一 般 的

に 新 聞 や ニ ュ ー ス で 見 聞 き す る 株 主 総 会 は 、 定 時 株 主 総 会 で あ る 。 こ の 定 時 株

主 総 会 で の 議 論 の 中 心 は 、 取 締 役 ・ 監 査 役 の 選 任 、 取 締 役 ・ 監 査 役 の 報 酬 決 定 、

計 算 書 類 の 承 認 な ど で あ る 。 株 主 総 会 を 開 く た め に は コ ス ト も 時 間 も か か り 、

何 度 も 開 く わ け に は い か な い た め 、 日 常 の 経 営 判 断 は 取 締 役 会 な ど の 判 断 に 委

ね ら れ る こ と と な る 。 そ こ で 、 そ の 経 営 判 断 を 任 せ る 役 員 を 株 主 総 会 で 決 め る

の で あ る 。 臨 時 株 主 総 会 は 、 い く ら 代 表 取 締 役 や 取 締 役 会 で あ っ て も 決 め ら れ

な い こ と が 議 論 の 中 心 と な る 。 例 え ば 、 定 款 の 変 更 や 、 資 本 の 減 少 、 会 社 の 合

併 な ど が 挙 げ ら れ る 。 こ れ ら は 定 期 的 に 起 こ る こ と で は な く 、 突 然 決 議 を 迫 ら

れ る こ と が 多 い た め 、 そ う い っ た 場 合 に 、 そ の 都 度 、 株 主 総 会 を 招 集 す る の で

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国 に は 、 国 の 行 方 を 決 め る 国 会 が 、 株 式 会 社 に は 会 社 の 行 方 を 決 め る 株 主 総

会 が あ る 。 こ れ は 、 私 が こ の 章 で 株 主 総 会 と は 何 か を 簡 単 に 調 べ て み て 感 じ た

こ と で あ る 。 会 社 の 株 を 保 有 し て い る と い う こ と は 、 そ の 会 社 の 所 有 権 を 少 な

か ら ず 有 し て い る と い う こ と で あ る 。 株 主 総 会 に 参 加 し 、 も の を 言 う 権 利 = 議

決 権 を 行 使 す る こ と が 本 来 の 株 主 の 姿 だ と 思 う 。 本 章 で 概 観 し た 株 主 総 会 の 法

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第 2 章 株 主 総 会 の 現 状

1 . 近 年 に お け る 株 主 総 会 の 主 な 傾 向 ・ 特 徴

( 1 ) 株 主 側 の 変 化

( a ) 個 人 株 主 数 の 増 加 ・ 外 国 人 株 主 の 増 加

全 国 の 証 券 取 引 所 は 毎 年 度 ( 3 月 末 ) ご と に 株 式 分 布 状 況 を 調 査 ・ 公 表 し て

い る 。 こ の 調 査 は 全 国 の 上 場 会 社 (2,775 社 ) の 株 主 数 、 所 有 株 式 数 ( い ず れ

も 単 元 株 式 数 基 準 ) を 集 計 し た も の で あ る 。

そ れ に よ る と 平 成 16 年 度( 平 成 17 年 3 月 末 )に お い て は 、総 株 主 数 が 3,539

万 名 を 数 え 、 前 年 比 約 138 万 名 増 と な っ て い る 。 上 場 廃 止 や 会 社 合 併 等 に よ っ

て 、 上 場 会 社 の 数 は そ れ ほ ど 増 え て い な い に も か か わ ら ず 、 平 成 8 年 度 以 降 9

年 連 続 で 過 去 最 高 を 更 新 し な が ら 増 加 す る こ と と な り 、 か つ 、 平 成 1 3 年 度 以

来 3年 ぶ り に 前 年 度 比 100 万 人 を 越 え る 大 幅 な 増 加 を 記 録 す る こ と と な っ た 。

株 主 数 が 連 続 し て 増 加 し て い る 背 景 に は 、 法 人 株 主 の 株 式 売 り に 対 す る 個 人

の 買 い 、さ ら に 株 式 の 分 割 や 単 元 株 の 株 数 引 き 下 げ な ど が あ る と み ら れ て い る 。

特 に 、 外 国 人 株 主 が 、 持 ち 合 い 解 消 に 伴 う 売 り の 受 け 皿 に な る 流 れ が 続 き 、

外 国 人 の 保 有 比 率 は 過 去 10 年 で 2 倍 強 に 上 昇 し 、2004 年 度 末 の 外 国 人 の 株 式

保 有 比 率 は 過 去 最 高 の 23.7% と な っ た 。 外 国 人 株 主 は 資 産 運 用 を 手 が け る 金 融

機 関 な ど が 多 く 、 値 上 が り 益 や 配 当 を 狙 っ て い る と 考 え ら れ て い る 。

( b ) 一 般 株 主 の 発 言 の 増 加

株 主 総 会 運 営 の 実 態 を 2004 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」( 旬 刊 商 事 法 務 、 平 成 16

年 11月 30 日 号 ) に 基 づ く 調 査 結 果 か ら み て い く こ と に す る 。 株 主 総 会 白 書 で

は 、 全 国 の 証 券 取 引 所 に 上 場 さ れ て い る 国 内 会 社 ( 新 興 市 場 ・ 外 国 企 業 を 除 く )

2526 社 で 、 平 成 15 年 7 月 か ら 平 成 16 年 6 月 ま で の 間 に 開 催 さ れ た 直 近 の 定

時 株 主 総 会 を 回 答 対 象 と し た 調 査 結 果 が ま と め ら れ て い る 。調 査 に あ た っ て は 、

「 株 主 総 会 に 関 す る ア ン ケ ー ト 」を 平 成 16年 7月 か ら 8月 に か け て 実 施 し 1924

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10

そ れ に よ る と 、 総 会 出 席 株 主 に つ い て 「 発 言 が あ っ た 」 と の 回 答 結 果 が 上 場

会 社 の 45.5% 、「 議 案 に 対 す る 質 問 が あ っ た 」 と の 回 答 結 果 が 27.0% で あ り 、

10 年 前 の 数 字 ( 14.2% 、8.7% ) と 比 べ る と 大 幅 に 増 加 し て い る こ と が 分 か る 。

実 際 に 総 会 で 株 主 か ら 出 さ れ た 質 問 内 容 で 最 も 多 か っ た の は 「 経 営 政 策 ・ 営

業 政 策 」 で 全 体 の 30.7% を 占 め て い る 。 次 い で 「 配 当 政 策 ・ 株 主 還 元 」 が 全 体

の 17% 、「 財 務 状 況 」 が 10.2% 、「 株 価 動 向 」 が 9.5% 、「 役 員 退 職 慰 労 金 」 が

7.8% と な っ て い る 。 最 近 で は 、 株 主 も 質 問 慣 れ し た 状 況 で あ り 、 一 般 株 主 の 関

心 は 株 価 や 配 当 、 株 式 分 割 、 株 主 優 待 な ど に 絞 ら れ て き て い る 。

( c ) 一 般 株 主 に よ る 株 主 提 案

近 年 は 、 一 般 株 主 に よ る 株 主 提 案 の 例 も 多 く 見 ら れ る 。 平 成 1 5 年 7 月 総 会

か ら 平 成 16 年 6 月 総 会 ま で に 行 使 さ れ た 株 主 提 案 は 、20 社 ・22 件 で あ り 、 前

年 に 比 べ 4 社 ・6件 増 加 し て い る 。 そ の う ち 7 社 が 電 力 会 社 で あ り 、 い ず れ も

同 一 と 思 わ れ る 株 主 か ら の 連 続 提 案 で あ る 。 提 案 内 容 は 、 例 年 同 様 、 原 発 反 対

に 関 す る も の で あ る 。 ま た 、 前 年 に 引 き 続 き 連 続 提 案 と な っ た の は 、 電 力 会 社

の ほ か 、 関 東 天 然 瓦 欺 開 発 、 東 京 ス タ イ ル 、 ソ ニ ー 、 ト ヨ タ 自 動 車 、 み ず ほ フ

ィ ナ ン シ ャ ル グ ル ー プ の 5 社 で あ る 。 関 東 天 然 瓦 欺 開 発 、 東 京 ス タ イ ル は 前 年

同 様 、 増 配 議 案 等 を 中 心 と す る M & A コ ン サ ル テ ィ ン グ に よ る も の で あ る 。 増

配 要 求 は 企 業 の 業 績 回 復 を 反 映 し た も の や 、 事 業 規 模 に 比 較 し て 過 大 な 現 預 金

を 保 有 す る 企 業 に 対 し 、 事 業 に 投 入 し な い の で あ れ ば 株 主 に 還 元 せ よ と 働 き か

け る も の で あ る 。 ソ ニ ー 、 ト ヨ タ 自 動 車 、 み ず ほ フ ィ ナ ン シ ャ ル グ ル ー プ も 前

年 同 様 、 役 員 報 酬 、 退 職 慰 労 金 に つ き 個 別 開 示 を 求 め る 株 主 オ ン ブ ズ マ ン か ら

の 提 案 で あ る 。 こ の 役 員 報 酬 関 係 は 、 最 近 の 一 般 株 主 の 関 心 事 で も あ り 、 他 の

提 案 と 比 較 し て も 相 応 に 高 い 支 持 を 得 て い る 。

ま た 、 ス ガ イ 化 学 工 業 の 提 案 内 容 は 、 定 款 に 「 株 主 に 対 す る 決 算 説 明 会 」 の

章 を 新 設 し 、 決 算 発 表 日 等 か ら 各 3 営 業 日 内 に 決 算 説 明 会 を 開 催 す る 条 項 の 新

設 を 求 め る 提 案 で あ る 。

一 方 、 ヤ ク ル ト 本 社 、 宮 入 バ ル ブ 製 作 所 、 ニ ッ ポ ン 放 送 に お い て は 取 締 役 も

し く は 監 査 役 の 選 任 を 提 案 し 、 経 営 陣 へ の 参 画 を 意 図 し た 株 主 提 案 が 行 わ れ て

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11

選 任 の 件 」 と 「 監 査 役 1 名 選 任 の 件 」 が 付 議 さ れ 、 い ず れ も 賛 成 多 数 で 承 認 可

決 さ れ て い る 。

こ の ほ か 、 王 子 製 紙 の 株 主 提 案 は 、 会 社 提 案 の 利 益 処 分 案 を 修 正 す る 2 議 案

と 取 締 役 の 解 任 を 求 め る 議 案 の 計 3 議 案 、 カ ネ ボ ウ の 株 主 提 案 は 、 同 社 の 商 号

を 従 前 の 商 号 に 復 元 す る た め の 定 款 変 更 を 求 め る も の で あ る 。

( 2 ) 会 社 側 の 変 化

( a ) ビ ジ ュ ア ル 化

2004 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」 に よ る 、 会 社 側 の 対 応 に つ い て の 調 査 結 果 に よ

る と 、 上 場 企 業 の 72.8% が 、 基 本 的 に 一 般 株 主 の 発 言 を 歓 迎 し て い る と 回 答 し

て い る 。 ま た 、 株 主 総 会 の ビ ジ ュ ア ル 化 を 実 施 し て い る と の 回 答 結 果 が 、 上 場

企 業 の 47.2% を 占 め て い る 。 総 会 に お け る 営 業 報 告 等 に 際 し 、 営 業 報 告 書 等 を

な ぞ っ て 口 頭 で 説 明 を 受 け る よ り 、 適 宜 図 表 を 示 し て 視 覚 に 訴 え る ほ う が 株 主

の 理 解 も 深 ま る こ と は 事 実 で あ る 。 出 席 し た 一 般 株 主 に 分 か り や す い 株 主 総 会

を 提 供 す る た め 、 ナ レ ー シ ョ ン 入 り の 営 業 報 告 や ス ラ イ ド 、 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ

ン ・ ツ ー ル な ど を 利 用 し た ビ ジ ュ ア ル 化 は 今 後 一 層 普 及 す る こ と が 予 想 さ れ る 。

( b ) 株 主 懇 談 会 ・ イ ベ ン ト 化

変 わ り つ つ あ る の は 、 株 主 総 会 だ け で は な い 。 総 会 後 に 行 な わ れ る 株 主 懇 談

会 で も 、 さ ま ざ ま な 工 夫 を 凝 ら す 会 社 が 増 加 し て い る 。 た と え ば 、 角 川 ホ ー ル

デ ィ ン グ ス で は 、8 月 に 公 開 予 定 の 新 作 映 画 を 公 開 前 に も か か わ ら ず 2 本 立 て

で 上 映 し 、 ホ リ プ ロ や エ イ ベ ッ ク ス ・ グ ル ー プ ・ ホ ー ル デ ィ ン グ ス で は 、 所 属

ア ー テ ィ ス ト が イ ベ ン ト を 開 催 し た り 、 コ ン サ ー ト を 行 っ た り し て い る 。 フ ァ

ン ケ ル は 、 青 汁 や 発 芽 米 の 試 食 会 を 開 催 し 、 ピ エ ト ロ も 、 立 食 形 式 で 自 社 製 品

を 使 っ た 料 理 を 提 供 し 、 社 長 自 ら が コ ッ ク 帽 を か ぶ り ド レ ッ シ ン グ の 手 作 り 実

演 を 行 っ て い る 。

2004 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」 の 調 査 結 果 か ら 、 株 主 総 会 を I R の 一 環 と 考 え

る 会 社 が 増 加 し て い る こ と が 分 か る 。 株 主 懇 談 会 に つ い て は 、「 開 催 し て い る 」

と の 回 答 結 果 は 最 新 の も の で も 15.3% に と ど ま っ て い る が 、9 年 前 の 1.7% か

(13)

12 ( c ) 集 中 日 の 分 散 化

3 月 末 を 決 算 期 と し 、 そ の 日 を 定 時 株 主 総 会 の 議 決 権 基 準 日 と し た 場 合 、 基

準 日 に つ い て の 制 限 ( 商 法 224 条 ノ 3 第 2 項 ) か ら 遅 く と も 、 定 時 株 主 総 会 は

6 月 末 ま で の 3 ヶ 月 以 内 に 開 催 し な け れ ば な ら な い 。 そ の 間 に 会 社 は 所 定 の 決

算 ・ 監 査 手 続 を 行 う た め 、 定 時 総 会 の 会 日 は 、6 月 末 日 に 近 い 日 に 設 定 さ れ る

の が 普 通 で あ る 。

決 算 期 が 3月 末 の 同 一 日 で あ る た め 、 総 会 日 が 6 月 末 の 一 定 の 日 に 集 中 す る

の は 当 然 の こ と の よ う に 考 え ら れ 、 会 社 側 も 、 こ の 日 に 合 わ せ て 総 会 を 開 催 す

れ ば 、 株 主 の 出 席 も 少 な い た め 、 総 会 運 営 が 無 難 で あ る か の よ う に 考 え て い る

節 が あ っ た 。

し か し 、 東 京 証 券 所 が 発 表 し た 調 査 結 果 に よ れ ば 、10 年 前 に は 95% を 越 え

る 集 中 度 を 見 せ て い た が 、近 年 は 分 散 化 の 一 途 を た ど り 、平 成 16 年 に は 63.9%

に ま で 集 中 度 が 減 る に 至 っ て い る 。

( d ) 所 要 時 間 の 長 期 化

最 近 の 傾 向 と し て 、 株 主 総 会 の 所 要 時 間 が 長 く な っ て き て い る こ と が 挙 げ ら

れ る 。 こ れ は 、 増 加 し た 一 般 株 主 の 出 席 ・ 発 言 に 会 社 側 が 丁 寧 に 対 応 し よ う と

し て い る こ と が 理 由 の 1 つ で あ る と 考 え ら れ る 。30 分 以 下 で 株 主 総 会 が 終 了 し

て い た 会 社 は 、10 年 前 こ ろ に は 全 体 の 80% 前 後 で あ っ た が 、 近 年 で は 40% を

下 回 っ て い る 。

通 常 、 営 業 報 告 等 の 報 告 だ け で も 30 分 程 度 を 要 す る と 考 え ら れ る の で 、 多

く の 会 社 で 、 あ る 程 度 の 健 全 な 質 疑 応 答 の 時 間 が 確 保 さ れ て い る も の だ と 言 え

る 。

( e ) 株 主 総 会 の 審 議 案 件 の 増 加

総 会 に 議 案 と し て 提 出 さ れ 、 審 議 の 結 果 採 決 さ れ る 総 会 決 議 事 項 は 、 商 法 お

よ び 定 款 に 定 め ら れ る 。 そ こ で 商 法 等 の 緊 急 改 正 や 合 併 な ど の 組 織 変 更 で も な

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13 時 総 会 で 処 理 す る こ と と し て い る 。

し か し 、 こ こ 数 年 、 商 法 お よ び 関 連 法 規 制 の 改 正 等 に 伴 い 、 株 主 総 会 で の 決

議 が 必 要 な 事 項 が 数 多 く 発 生 し て い る 。 単 位 株 式 制 度 廃 止 や 単 元 株 式 制 度 新 設

に 伴 う 定 款 変 更 と い っ た も の か ら 、 委 員 会 等 設 置 会 社 へ の 移 行 と い っ た 経 営 の

あ り 方 を 大 幅 に 変 え る も の ま で 、 そ の 内 容 も 様 々 で あ る 。

( f ) 役 員 の 株 主 総 会 に 対 す る 関 心 の 変 化

2005 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」(旬 刊 商 事 法 務 、 平 成 17 年 11 月 30日 号)に 基

づ く 調 査 結 果 か ら 、役 員 の 株 主 総 会 に 対 す る 関 心 の 変 化 を み て い く こ と に す る 。

2005 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」 で は 、 全 国 の 証 券 取 引 所 に 上 場 さ れ て い る 国 内

会 社(新 興 市 場 ・ 外 国 企 業 を 除 く)2567 社 で 、 平 成 16 年 7 月 1 日 か ら 平 成 17

年 6 月 30 日 ま で の 間 に 開 催 さ れ た 直 近 の 定 時 株 主 総 会 を 回 答 対 象 と し た 調 査

結 果 が ま と め ら れ て い る 。 調 査 に あ た っ て は 、「 株 主 総 会 に 関 す る ア ン ケ ー ト 」

平 成 17 年 7 月 1 日 か ら 8月 3 1 日 に か け て 実 施 し 、1938 社 か ら 回 答 が 得 ら れ

て い る 。

回 答 が 得 ら れ た 1938 社 の う ち 、 前 回 総 会 と の 比 較 に お い て 、 役 員 の 株 主 総

会 に 対 す る 関 心 に つ い て 、「 高 ま っ た 」 と 回 答 し た 会 社 が 781 社 に 上 っ た 。

前 述 し た よ う に 、 こ こ 数 年 、 株 主 総 会 に お け る 株 主 の 発 言 が 増 加 し 、 株 主 総

会 に お い て 発 言 が あ る こ と は 珍 し く な い 。 そ れ も 従 来 の よ う な プ ロ 株 主 で は な

く 、 一 般 株 主 中 心 で あ る 。 一 般 株 主 で あ る か ら と い っ て 、 対 応 が し や す い わ け

で は な い 。 一 般 株 主 の 発 言 だ か ら こ そ 対 応 が 難 し い と い う こ と も い え る 。 何 よ

り も 丁 寧 に 回 答 す る こ と が 期 待 さ れ 、 し か も 質 問 に 対 す る 回 答 拒 否 が 難 し い 状

況 と な っ て い る か ら で あ る 。 こ の よ う な 一 般 的 状 況 に 加 え て 、 業 績 や 株 価 の 低

迷 、 不 祥 事 の 発 生 な ど 企 業 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 や 、 コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン

ス を 中 心 と す る 株 主 の 会 社 経 営 に 対 す る 関 心 の 高 さ な ど が 、 株 主 総 会 で の 厳 し

い 質 問 と な っ て 表 れ て い る 。 こ れ ら の 動 き を 背 景 に 、2005 年 度 株 主 総 会 の 場 合

は 、 企 業 買 収 か ら の 防 衛 策 、 株 主 を 味 方 に つ け る こ と の 必 要 性 に 対 す る 高 い 意

識 が 、役 員 の 総 会 に 対 す る 関 心 を ま す ま す 高 め た の で は な い か と も 考 え ら れ る 。

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議 決 権 行 使 の 白 紙 委 任 が 一 般 的 で あ っ た 株 主 総 会 の あ り 方 に と っ て 、1 つ の

転 換 点 と な っ た の は 1998 年 の 株 主 総 会 で あ る 。 国 内 大 手 機 関 投 資 家 の 1 つ で

あ る 三 井 信 託 銀 行 ( 当 時 ) が 反 対 票 を 投 じ た と 大 き く 報 じ ら れ 、 そ れ 以 降 、 国

内 機 関 投 資 家 の 間 で も 議 決 権 行 使 に 関 す る 認 識 が 高 ま っ た 。 そ れ ま で は 、 会 社

側 の 議 案 に 反 対 票 を 投 じ る の は 、 外 国 人 株 主 か 個 人 株 主 が ほ と ん ど で あ り 、 国

内 機 関 投 資 家 は よ ほ ど の こ と が な い 限 り 白 紙 委 任 を す る と い う こ と が 当 然 の 慣

行 で あ っ た 。

( 1 ) 機 関 投 資 家 と は

機 関 投 資 家 と は 、 顧 客 か ら 預 か っ た お 金 の 運 用 を 業 務 と し て 行 っ て い る 法

人 や 団 体 を 指 す 。Institutional Investor s の 和 訳 で あ る 。 具 体 的 に は 、 生 命

保 険 会 社 、 損 害 保 険 会 社 、 投 資 信 託 委 託 会 社 、 信 託 銀 行 、 年 金 基 金 な ど が あ

げ ら れ る 。 外 国 人 投 資 家 と 呼 ば れ る 人 た ち の 多 く も 、 実 は 海 外 の 保 険 会 社 、

運 用 会 社 、 年 金 基 金 と い っ た 機 関 投 資 家 で あ る 。

機 関 投 資 家 は 業 務 と し て 運 用 を 行 っ て い る た め 、 証 券 会 社 な ど が 自 己 資 金

で 行 う デ ィ ー リ ン グ と は 異 な り 、 基 本 的 に は 顧 客 か ら 預 か っ た 資 金 を 運 用 し

て い る 。 例 え ば 、 生 命 保 険 会 社 や 損 害 保 険 会 社 は 、 保 険 契 約 者 か ら 預 か っ た

保 険 料 を 、 国 内 外 の 株 式 、 債 券 、 不 動 産 な ど に 投 資 し て 、 そ こ か ら 得 ら れ る

利 子 や 配 当 収 入 、 売 買 益 を 契 約 者 に 還 元 し 、 投 資 信 託 委 託 会 社 の 場 合 は 、 投

資 信 託 受 益 証 券 を 購 入 し た 投 資 家 の お 金 を 一 つ に ま と め 、 予 め 決 め ら れ た 運

用 方 針 に 従 っ て 様 々 な 市 場 に 投 資 し 、 そ の 収 益 を 投 資 家 に 還 元 す る 。

2003 年 6月 に 行 わ れ た 株 主 総 会 で は 、厚 生 年 金 基 金 連 合 会 が 議 決 権 を 行 使

し 、 議 案 に 反 対 し た ケ ー ス が 大 き く 浮 き 彫 り に な っ た が 、 そ の 背 景 に は 、 株

式 で の 運 用 の 目 減 り で 、 年 金 財 産 が 直 撃 さ れ て い る た め に 、 こ れ 以 上 投 資 先

の 企 業 の 経 営 方 針 に 関 し 、 株 主 と し て 甘 い 顔 ば か り は し て い ら れ な い と い う

背 景 が 感 じ と れ る 。

( 2 ) ア メ リ カ の 機 関 投 資 家

日 本 よ り 一 足 先 に 、 ア メ リ カ に お い て 、 機 関 投 資 家 が 株 主 提 案 権 を 行 使 し た

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投 資 家 は 、 保 有 株 の パ フ ォ ー マ ン ス 等 が よ く な い と き は こ れ を 売 却 し て 他 の 会

社 の 株 式 を 買 う と い う ウ ォ ー ル ・ ス ト リ ー ト ・ ル ー ル に よ っ て 行 動 し て き た 。

し か し 、最 近 は 機 関 化 現 象 と い っ て 機 関 投 資 家 の 保 有 す る 株 式 量 が 大 き く な り 、

機 関 投 資 家 が ウ ォ ー ル ・ ス ト リ ー ト ・ ル ー ル に よ っ て 行 動 す れ ば 、 株 式 市 場 に

大 き な 影 響 を 与 え て し ま う こ と に な る 。 そ の た め 、 ア メ リ カ の 機 関 投 資 家 は 、

コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス に 関 与 し 始 め た と い え る 。 そ の 中 で も 注 目 を 浴 び て

い る 機 関 投 資 家 と し て 有 名 な の が カ ル パ ー ス (California Public Employees’

Retirement System) で あ る 。

カ ル パ ー ス が 行 う 投 資 先 の 企 業 に 対 す る コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス へ の 関 与

は 以 下 の よ う に な る 。 株 式 の 長 期 的(5 年)成 果 が そ の 業 界 に お い て 低 位 で あ る

こ と が わ か る と 、 会 社 の 経 営 を 改 善 す る こ と に よ っ て よ り 高 率 の 見 返 り を 達 成

す る こ と が 重 要 な 問 題 と な る 。 そ し て 、 ① 取 締 役 会 の 会 長 職 と C E O の 職 と を

分 離 さ せ る 。 ② 取 締 役 会 の 過 半 数 お よ び 重 要 な 委 員 会 の す べ て が 非 役 員 取 締 役

か ら 構 成 さ れ る べ き こ と を 要 求 す る 。 ③ 非 役 員 取 締 役 に 会 社 の 長 期 的 成 果 の 責

任 を も た せ る 。 ④ 株 主 代 表 委 員 会 を 創 設 し て 取 締 役 に 対 し て 拘 束 力 の な い 勧 告

を 与 え さ せ る 。 ⑤ 役 員 の 指 名 、 業 績 、 報 酬 に 対 す る 非 役 員 取 締 役 の 監 視 を 改 善

さ せ る 。 ⑥ 社 外 の 独 立 の 業 務 監 査 を 要 求 す る 。 と い う 以 上 の ① か ら ⑥ ま で の 6

つ の 行 動 か ら 1 つ ま た は そ れ 以 上 の 措 置 が と ら れ る こ と と な る 。 こ れ ら を み て

気 が つ く の は 、 社 外 取 締 役 を 活 用 し て コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス に 関 与 し よ う

と す る こ と で あ る 。 こ の よ う な 機 関 投 資 家 の コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス へ の 干

渉 は 、 ア メ リ カ の 労 働 省 が 企 業 年 金 の 受 託 者 は 株 主 権 の 行 使 に つ い て も 責 任 を

負 う 旨 の 見 解 を 1988 年 に 公 表 し た こ と か ら 、 公 的 年 金 基 金 な ど も 株 主 権 の 行

使 に 興 味 を 示 す よ う に な り 、 広 が っ て い っ た よ う で あ る 。 具 体 的 に は 、1992

年 10 月 に ゼ ネ ラ ル ・ モ ー タ ー ズ の C E O ス テ ン ペ ル 氏 が 独 立 の 取 締 役 の 圧 力

に よ っ て 辞 任 し た り 、ウ ェ ス テ ィ ン グ ハ ウ ス 社 、ア メ リ カ ン ・ エ ク ス プ レ ス 社 、

I B M 社 、 コ ダ ッ ク 社 な ど に お い て も 、 同 様 の 辞 任 劇 が 話 題 に の ぼ っ た 。

こ の よ う に 大 き な 出 来 事 が 次 々 と 生 じ て い る こ と か ら 、 ア メ リ カ の 年 金 基 金

を 中 心 と し た 機 関 投 資 家 に よ る コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス へ の 干 渉 が 世 界 的 に

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( 3 )2004 年 株 主 総 会 に お け る 機 関 投 資 家 の 反 対 票

2004 年 度 版 「 株 主 総 会 白 書 」( 旬 刊 商 事 法 務 、 平 成 16 年 11 月 30 日 号 ) に

基 づ く 調 査 結 果 に よ る と 、機 関 投 資 家 か ら 反 対 を 受 け た 企 業 が 前 年 よ り 24% 増

え 、5 割 強 に の ぼ っ た 。 株 主 総 会 で は 企 業 業 績 の 回 復 を 背 景 に 、 配 当 な ど 利 益

分 配 政 策 に 関 す る 質 問 が 増 え 、 エ ク イ テ ィ フ ァ イ ナ ン ス ( 新 株 発 行 に 伴 う 資 金

調 達 ) に よ る 調 達 資 金 の 使 途 な ど を 問 う 声 も 目 立 っ た 。

国 内 最 大 規 模 の 年 金 基 金 で あ る 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 は 、2003 年 度 (2003 年

7 月 か ら 2004 年 6 月 ) の 上 場 企 業 の 株 主 総 会 で 会 社 議 案 の 25% に 反 対 を し た

こ と が わ か っ た 。 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 の 日 本 株 の 運 用 資 産 は 3 兆 円 弱 で 、 東 京

証 券 取 引 所 第 一 部 に 上 場 す る 全 企 業 の 株 式 を 保 有 し て い る 。 投 資 先 企 業 の 経 営

の 規 律 を 高 め て 株 価 を 上 昇 を 促 す こ と を 狙 い 、2003 年 か ら 独 自 の 基 準 で 部 分 的

に 議 決 権 行 使 を 始 め た 。2004 年 4 月 か ら は 、運 用 を 委 託 す る 投 資 顧 問 会 社 な ど

全 11 社 に も 同 じ 基 準 で 議 決 権 行 使 を 徹 底 す る よ う に 要 求 し 、 運 用 会 社 が 基 準

を 厳 格 に 適 用 し た 結 果 、 議 案 へ の 反 対 票 が 急 増 し た 。

議 案 別 に み る と 、 退 職 慰 労 金 の 支 給 へ の 反 対 が 52.7% と 最 も 多 く 、 次 い で 、

取 締 役 選 任 の 議 案 に 対 す る 反 対 が 43.2% に の ぼ っ た 。 ま た 、 三 期 連 続 で 赤 字 か

つ 無 配 で あ っ た り 、 過 去 五 期 の 通 算 最 終 損 益 が 赤 字 で あ っ た 企 業 の 取 締 役 の 再

任 や 退 職 慰 労 金 の 支 給 に 反 対 、 親 会 社 出 身 な ど 独 立 性 に 問 題 の あ る 社 外 取 締 役

の 選 任 へ の 反 対 も 多 か っ た 。

こ の ほ か 、 利 益 処 分 案 で は 24.1% 、 新 株 予 約 権 の 発 行 で は 20% に 反 対 、 い

た ず ら に 内 部 留 保 を 積 み 上 げ た り 、 既 存 の 株 主 の 利 益 を 損 な う よ う な 株 式 発 行

を 拒 絶 す る 姿 勢 を 鮮 明 に し た 。

( 4 ) 株 主 総 会 に お け る 機 関 投 資 家 の 役 割

厚 生 年 金 基 金 連 合 会 の 矢 野 朝 水 専 務 理 事 は 雑 誌 の イ ン タ ビ ュ ー 記 事 で 「 株 主

総 会 の 議 案 書 を 見 て い る と 、 説 明 不 足 や お か し い と 感 じ る も の が 本 当 に 多 い 。

連 続 し て 赤 字 な の に 社 長 に 退 職 慰 労 金 を 出 す と か 、 重 要 な 定 款 変 更 な の に 説 明

が 乏 し い と か 、 首 を ひ ね り た く な る ケ ー ス が た く さ ん あ る 。」 と 述 べ て い る 。

確 か に 、 特 別 決 議 の 定 足 数 を 引 き 下 げ る 定 款 変 更 議 案 に お い て 、 大 半 の 企 業

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に 「 議 決 権 行 使 比 率 の 高 い 金 融 機 関 の 保 有 が 減 少 し 、 行 使 比 率 の 低 い 外 国 人 等

の 保 有 が 増 え た か ら 」 や 、「 今 後 の 株 主 構 成 の 変 化 で 、 定 足 数 が 満 た せ な い と 株

主 共 通 の 利 益 を 害 す る 可 能 性 も あ り 、 行 使 す る 株 主 の 意 思 が 決 議 に 確 実 に 反 映

す る 必 要 が あ る か ら 」と い っ た 理 由 を 加 え る だ け で 、よ り 具 体 的 な 説 明 と な る 。

取 締 役 選 任 議 案 に つ い て は 、 取 締 役 候 補 者 の 略 歴 の み な ら ず 、 本 当 に こ の 人

が ふ さ わ し い と い う 理 由 を 工 夫 し て 開 示 す る こ と が 要 求 さ れ る 。 し か し 、 果 た

し て 何 を 開 示 す れ ば ふ さ わ し い と 納 得 す る か 否 か と い う 点 は 議 論 の 余 地 が あ る

が 、 機 関 投 資 家 で あ れ ば 、 候 補 者 に 直 接 面 談 を 申 し 入 れ る こ と も 可 能 で あ る と

考 え ら れ る 。

U F J 総 合 研 究 所 が 発 表 し た ア ン ケ ー ト 結 果(2003年 4 月 18 日 か ら 25 日 ま

で の 期 間 に 外 資 系 を 含 む 機 関 投 資 家 約 200 社 に 対 し て ア ン ケ ー ト を 実 施 、59

社 か ら の 回 答 の 結 果)に よ る と 、 機 関 投 資 家 側 は 企 業 と の 対 話 を 求 め て い る 。 投

資 家 と 企 業 の 対 話 が 促 進 さ れ 、 機 関 投 資 家 に よ る 株 主 総 会 の 場 で の 議 決 権 行 使

が 、 企 業 経 営 の 改 善 を 促 す こ と に つ な が る こ と を 期 待 す る 。

3 . I T 化 の 進 展

( 1 ) I T 活 用 の 状 況

近 年 、 米 国 に お い て は 株 主 総 会 に I T を 活 用 す る こ と に よ り 、 議 決 権 行 使 の

効 率 化 と 促 進 を 図 っ て い る 。 わ が 国 で も 「 会 社 運 営 の 電 子 化 」 に 関 し て は 、 近

年 に な っ て 様 々 な 法 改 正 が 行 わ れ て き た 。

ま ず 、 平 成 13 年 商 法 改 正 に よ り 、 株 主 総 会 招 集 通 知 等 の 会 社 関 係 書 類 の 電

子 化(商 法 232条 2 項)、 書 面 に よ る 議 決 権 行 使 制 度 ( 商 法 239 ノ 2)、 電 子 投 票

制 度(商 法 239条 ノ 3)が 実 現 さ れ た 。 さ ら に 、 平 成 14 年 商 法 改 正 に よ り 、 株 主

総 会 の 招 集 手 続 が 簡 素 化(商 法 236条)さ れ 、特 別 決 議 の 定 足 数 緩 和(商 法 343条)、

書 面 ま た は 電 磁 的 記 録 に よ る 株 主 総 会 決 議(商 法 253 条)等 の 制 度 も 設 置 さ れ て

い る 。

こ れ ら の 改 正 の 背 景 と し て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 爆 発 的 普 及 、 ネ ッ ト ワ ー ク 上

の セ キ ュ リ テ ィ 確 保 の た め の 暗 号 技 術 を 基 礎 と し た 電 子 署 名 技 術 の 発 達 な ど が

挙 げ ら れ る 。 ま た 高 度 情 報 化 社 会 や 企 業 活 動 の 国 際 化 へ の 対 応 、 国 際 的 競 争 力

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そ も そ も 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 技 術 の 特 徴 は 遠 隔 地 へ の 意 思 伝 達 の 効 率 化 に あ る

た め 、 株 主 総 会 関 連 の 通 知 や 議 決 権 行 使 に イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 す る こ と は 、

技 術 的 に も 制 度 論 的 に も 自 然 な 流 れ で あ る 。

( 2 )2005 年 株 主 総 会 で の I T 活 用

2005 年 の 株 主 総 会 で は 、 ホ ン ダ 、 松 下 電 器 産 業 な ど 約 120 社 が 携 帯 電 話 を

使 っ た 投 票 制 度 を 導 入 し た 。 多 く の 企 業 は 個 人 株 主 を 重 視 し 、 利 便 性 を 高 め て

個 人 の 議 決 権 行 使 を 促 し て い る 。 イ ン タ ー ネ ッ ト で 投 票 で き る 企 業 も 約 300 社

に 増 え 、 総 会 運 営 の I T 化 が 進 み 、 株 主 の 声 が 経 営 に 反 映 さ れ や す く な っ て き

て い る 。

松 下 電 器 産 業 は 2002 年 に パ ソ コ ン に よ る ネ ッ ト 投 票 を 導 入 し 、2005 年 か ら

新 た に 「 携 帯 投 票 」 を 始 め た 。 携 帯 電 話 の 普 及 率 が 約 7 割 に 高 ま り 「 様 々 な 投

票 の 選 択 肢 を 用 意 す る こ と が 株 主 重 視 に つ な が る 」 と 判 断 し た か ら だ 。 ま た 、

ソ フ ト バ ン ク も 「 場 所 や 時 間 を 選 ば ず 投 票 で き る た め 、 株 主 の 利 便 性 が 向 上 す

る 」 と い う 理 由 か ら 携 帯 で の 投 票 を 導 入 し た 。

利 用 す る 株 主 は 、 企 業 か ら 届 く 招 集 通 知 に 記 載 さ れ た I D 番 号 と パ ス ワ ー ド

を 使 う 。 総 会 前 日 の 深 夜 ま で 信 託 銀 行 の 専 用 サ イ ト で 受 け 付 け る 例 が 多 く 、 投

票 内 容 の 修 正 も 可 能 で あ る 。 株 主 は 議 案 へ の 対 応 を 考 え る 余 裕 が で き 、 企 業 は

総 会 の I T 化 で 運 営 コ ス ト を 減 ら す こ と が で き る 。

こ れ ま で 株 主 総 会 当 日 に 参 加 で き な い 個 人 株 主 な ど は 、 議 案 へ の 賛 否 を 郵 送

す る 必 要 が あ っ た 。 ネ ッ ト 投 票 は 徐 々 に 普 及 し て き た が 、 昨 年 の 携 帯 投 票 は ソ

ニ ー 、 N T T ド コ モ な ど 約 10 社 に と ど ま っ て い た 。 今 年 は 、 株 式 持 合 い 解 消

の 進 展 を 背 景 に 個 人 株 主 の 存 在 感 が 増 し 、 携 帯 を 活 用 し よ う と い う 機 運 が 高 ま

っ た よ う だ 。 株 主 総 会 が よ り 開 か れ た ス タ イ ル に 変 わ る き っ か け と も な り そ う

で あ る 。

( 3 ) イ ン タ ー ネ ッ ト 株 主 総 会 の 可 能 性

米 国 デ ラ ウ ェ ア 州 一 般 会 社 法 (Delaware General Corporation) に 準 拠 し て

設 立 さ れ た Bell&Howell社 が 1996 年 5 月 に 行 っ た 年 次 株 主 総 会 は 、 イ ン タ ー

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し た 後 、 ハ イ テ ク 企 業 と し て の イ メ ー ジ を 高 め る 方 策 を 模 索 す る と 共 に 、 積 極

的 に 企 業 メ ッ セ ー ジ を 全 世 界 の 株 主 に 届 け る と い う ね ら い を 有 し て い た 。 そ こ

で 、 同 社 は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で の 株 主 総 会 の 中 継 に 踏 み 切 っ た 。 物 理 的 な 総

会 会 場 に は わ ず か 40 人 程 度 の 株 主 が 出 席 し た の み で あ っ た が 、 イ ン タ ー ネ ッ

ト を 通 じ て 株 主 総 会 の 模 様 を 見 た 者 の 株 は 950 人 以 上 に 及 ん だ 。 そ し て 、 翌 年

に は 、 同 社 は 、 議 決 権 行 使 の 電 子 的 委 任 に よ る オ ン ラ イ ン 投 票 を 取 り 入 れ た ほ

か 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で 株 主 総 会 を 見 て い た 者 か ら 、 総 会 開 催 の 2 日 前 か ら 総

会 開 催 中 に か け て 、 電 子 メ ー ル に よ る 取 締 役 に 対 す る 質 問 も 受 け 付 け た 。 そ し

て 、 す べ て の 質 問 は 、 総 会 開 催 中 に 読 ま れ 、 か つ 、 回 答 さ れ た 。

こ れ 以 後 、 ア メ リ カ で は 優 良 企 業 や テ ク ノ ロ ジ ー 関 連 企 業 を 中 心 と し て 100

社 以 上 の 企 業 が 、 い わ ゆ る ウ ェ ブ キ ャ ス ト の 方 法 で 株 主 総 会 を 投 資 家 に 中 継 し

て い る 。 こ の よ う に 、 企 業 サ イ ド が I T を 積 極 的 に 取 り 入 れ る 形 で 工 夫 が 重 ね

ら れ た 結 果 、 デ ラ ウ ェ ア 州 一 般 会 社 法 2000 年 改 正 で は 、 株 主 総 会 の 運 営 そ の

も の を 完 全 に 電 子 化 す る こ と が 認 め ら れ た 。

わ が 国 で は 、 株 主 総 会 そ の も の の 電 子 化 に つ い て の 検 討 は 、 現 段 階 に お い て

も い ま だ 十 分 と は い え な い 。2001 年 4 月 に 公 表 さ れ た 、「 商 法 等 の 一 部 を 改 正

す る 法 律 案 要 綱 中 間 試 案 」 に お い て も 、 株 主 総 会 に 出 席 し な い 株 主 の 電 磁 的 方

法 に よ る 議 決 権 行 使 等 に 関 連 し て 、「 テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 利 用 し た 株 主 総 会 を

認 め る こ と と す る か に つ い て は 、 な お 検 討 す る 」 と の 注 書 き に よ り そ の 時 点 で

は 検 討 段 階 で あ る こ と が 明 示 さ れ 、 そ の 後 も 検 討 が な さ れ て い な い 。 イ ン タ ー

ネ ッ ト 株 主 総 会 で は 実 際 の 会 議 よ り 参 加 者 が 増 加 す る と 考 え ら れ る が 、 途 中 退

場 が 簡 単 で あ る こ と や 不 規 則 発 言 等 、 会 議 の 秩 序 を 保 つ こ と が 困 難 で あ る と い

っ た こ と が 問 題 と な っ て い る 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 総 会 を 開 催 す る た め に は 、 例 え

ば 、 ① 質 問 権 は 制 限 し 議 決 権 の み を 与 え る 、 ② 途 中 退 場 し た 株 主 は 議 決 権 を 委

任 し た こ と に す る 、 ③ 事 前 質 問 に よ り 質 問 権 を 補 充 す る 、 な ど の 法 整 備 が 必 要

で あ る と い え る 。

参 考 文 献

* 別 冊 商 事 法 務 編 集 部 「 平 成 1 7年 度 株 主 総 会 日 程 」 P1−3

(21)

20

P9、 P2 3、 P5 4−5 7、 P6 2−6 7、 P1 0 8 -113、 P1 2 3−130

* 別 冊 商 事 法 務 N o. 1 7 4 9 「2 0 0 5 年 度 版 株 主 総 会 白 書 」 P117

* 森 田 章

「 現 代 企 業 法 入 門 第 3 版 」 有 斐 閣 2 0 0 2 年 P1 0 0−1 0 2、 P1 4 1

* 日 経 新 聞 2 0 0 5 年 6月1 0 日

* 岩 村 充 ・ 神 田 秀 樹

「 電 子 株 主 総 会 の 研 究 初 版 」 弘 文 堂 2 0 0 3年 P2 7−2 8

4 . 小 括

本 章 で は 、 商 事 法 務 研 究 会 が 発 行 し て い る 「 株 主 総 会 白 書 2004 年 版 」、「 株

主 総 会 白 書 2005 年 度 版 」 を 用 い て 、 株 主 総 会 の 現 状 に つ い て ま と め た 。 株 主

総 会 の 場 が 変 化 し て い る 背 景 に は 、 銀 行 と 企 業 グ ル ー プ に よ る 株 式 の 持 合 が 崩

れ 、 個 人 株 主 や 厚 生 年 金 基 金 連 合 会 、 海 外 の 機 関 投 資 家 な ど の 「 も の 言 う 株 主 」

の 立 場 が 強 ま っ て い る こ と に あ る 。 企 業 と し て は 、 た だ 単 に 議 決 権 行 使 比 率 を

高 め る だ け で は な く 、 い か に 会 社 提 案 に 対 す る 理 解 を 得 て 、 賛 成 票 に 結 び つ け

る か と い う こ と が 課 題 と な っ て い る よ う で あ る 。 企 業 は 、 株 式 の 相 互 持 合 の 解

消 に よ っ て 低 下 し た 安 定 株 主 比 率 を 維 持 す る た め の 新 た な 担 い 手 と し て 、 個 人

株 主 を 長 期 安 定 的 な 株 主 と し て 育 て よ う と 努 め 、 そ の 一 環 と し て 株 主 総 会 の 活

性 化 に 力 を 注 い で い る 。

私 は 、 本 稿 を 書 く ま で 、 個 人 株 主 や 機 関 投 資 家 は 、 と も に 「 も の 言 う 株 主 」

と し て 、 企 業 側 か ら 恐 れ ら れ て い る と い う 印 象 を も っ て い た 。 し か し 、 果 た し

て 本 当 に そ う だ ろ う か 。 私 は こ の 章 を ま と め 終 え 、 株 主 総 会 と い う の は 、 も は

や 企 業 内 の 単 な る 形 式 的 な も の で は な く 、 一 つ の 社 会 的 あ る い は 経 営 的 な 評 価

の 基 準 と な っ て き て い る と い う こ と を 強 く 感 じ た 。 そ し て 、 そ れ は 個 人 株 主 の

増 加 や 機 関 投 資 家 の 台 頭 と い っ た 背 景 が あ っ た か ら こ そ だ と 思 う 。 個 人 株 主 や

機 関 投 資 家 の 台 頭 が 、 株 主 総 会 が 活 性 化 し 、 企 業 統 治(コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン

ス)に 一 役 買 う 存 在 と な る こ と を 強 く 望 む 。

次 章 で は 、 株 主 総 会 の 課 題 に つ い て 述 べ て い く こ と と す る 。 ま ず 、 株 主 総 会

に 関 連 す る 会 社 法 の 展 開 に つ い て ま と め 、 本 年 度 の 株 主 総 会 で 最 も 注 目 さ れ る

(22)

21

第 3 章 株 主 総 会 の 課 題

1 . 新 会 社 法 に お け る 株 主 総 会 に 関 す る 見 直 し

平 成 17 年 6 月 29 日 に 国 会 で 可 決 さ れ 、 新 し い 会 社 法 が 成 立 し た(平 成 18 年

4 月 施 行 予 定)。 こ の 法 律 の 成 立 に よ っ て 、 現 行 商 法 「 第 2 編 会 社 」 や 有 限 会 社

法 、 商 法 特 例 法 は す べ て 新 会 社 法 に 吸 収 さ れ 、 質 量 と も に 膨 大 な 一 大 法 典 と な

る 。 こ の 新 会 社 法 の 制 定 の 目 的 は 、「 会 社 法 制 の 現 代 化 」 に あ る 。

ま ず 初 め に 、 こ れ ま で の 会 社 法 の 変 遷 を 株 主 総 会 に 関 連 す る 事 項 に 焦 点 を 当

て て み て い く こ と に す る 。

( 1 ) 会 社 法 ・ 株 式 会 社 法 の 展 開

株 式 会 社 の 起 源 は 1602 年 設 立 の オ ラ ン ダ 東 イ ン ド 会 社 に あ る と い わ れ 、 フ

ラ ン ス 革 命 後 の 1807 年 に 制 定 さ れ た 商 法 典 は 株 式 会 社 に 関 し て 初 め て 一 般 的

規 定 を 設 け た こ と で 知 ら れ て い る 。 産 業 革 命 を 経 て 、19 世 紀 後 半 に は 各 国 の 会

社 法 が 準 則 主 義 を 採 用 し 、 第 一 次 世 界 大 戦 後 に は 各 国 で 大 規 模 な 会 社 法 改 正 の

時 代 を 迎 え た 。 わ が 国 で は 、 明 治 23 年 の 商 法 典 ( 旧 商 法 、 明 治 23 年 法 ) の 制

定 に よ り 最 初 の 一 般 会 社 法 が 成 立 し 、 明 治 32 年 に 現 行 の 商 法 ( 新 商 法 、 明 治

32 年 法 ) が 制 定 さ れ 、 整 備 さ れ た 。 同 法 で は 準 則 主 義 が 採 用 さ れ て い た 。 明 治

44 年 改 正 を 経 て 、 昭 和 13 年 に 大 改 正 が な さ れ 、 各 国 の 会 社 法 と 同 様 に 、 株 式

会 社 企 業 の 近 代 化 と 資 本 集 中 に 伴 う 対 応 が 図 ら れ 、 併 せ て 有 限 会 社 法 が 制 定 さ

れ た 。 第 二 次 世 界 大 戦 の 後 、 各 国 で は 株 式 会 社 法 改 正 の 動 き が 頻 繁 に 見 ら れ 、

経 済 構 造 の 変 革 と と も に 展 開 を 遂 げ て い る 。 わ が 国 に お け る 戦 後 の 会 社 法 の 展

開 に つ い て 、 株 主 総 会 に 関 連 す る 改 正 項 目 の み 以 下 に 挙 げ る 。

・ 昭 和 25 年 改 正(昭 和 25 年 法 167号 、 昭 和 26 年 7 月 1 日 施 行)

会 社 機 関 の 再 構 成 ( 株 主 総 会 の 権 限 縮 小 、 取 締 役 会 制 度 ・ 代 表 取 締 役 制

度 の 導 入 、 監 査 役 権 限 の 縮 小 )

(23)

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株 主 総 会 の 活 性 化 と 健 全 化 ( 株 主 提 案 権 、 書 面 投 票 制 度 、 取 締 役 等 の 説

明 義 務 、 議 長 権 限 の 明 確 化 、 利 益 供 与 禁 止 規 定 )

・ 平 成 13 年 11月 改 正 ( 平 成 13 年 法 128 号 、 平 成 14年 4月 1 日 施 行 )

会 社 運 営 の I T 化 対 応 ( 会 社 関 係 書 類 の 電 子 化 、 招 集 通 知 等 の 電 子 化 、

電 子 投 票 制 度 の 導 入 )

・ 平 成 14 年 改 正 ( 平 成 14年 法 44 号 、 平 成 15 年 4月 1日 施 行 )

株 主 総 会 の 合 理 化

( 2 ) 新 会 社 法 に お け る 株 主 総 会 関 連 の 改 正 項 目 つ い て

( a ) 株 主 提 案 権 の 行 使 期 間

現 行 法 で は 、 株 主 提 案 権 の 行 使 は 会 日 よ り 8 週 間 前 ま で と さ れ て い る ( 商 法

232 条 ノ 2)。 し か し 、 招 集 権 者 の 招 集 決 定 よ り 前 に な り か ね な い こ と か ら 、 新

会 社 法 で は 定 款 の 定 め で 短 縮 で き る も の と さ れ て い る( 新 会 社 法303 条 2項 )。

( b ) 株 主 総 会 の 招 集 地

株 主 総 会 の 招 集 地 は 、定 款 で 別 の 定 め が な け れ ば 本 店 所 在 地 か そ の 隣 接 地(最

小 行 政 区 画 と 解 さ れ る)に 限 ら れ て い る(商 法 233条)。

こ の 限 定 は 、 株 主 が 出 席 し に く い 所 を 招 集 場 所 に す る と い っ た 取 締 役 の 恣 意

的 な 招 集 場 所 の 選 定 を 防 ぐ た め に な さ れ て い た も の で あ る 。

し か し 、 最 近 で は 、 株 主 の 出 席 の 便 宜 を 図 る た め 本 店 所 在 地 以 外 で の 総 会 招

集 の ニ ー ズ が 増 え て い る の に 、 こ の こ と が 逆 に 定 款 で 定 め な い 限 り そ う し た ニ

ー ズ に 応 え 得 な い と い う 、 株 主 の 出 席 を 困 難 に す る 制 約 と な っ て し ま う 弊 害 を

生 じ て い た 。

そ こ で 新 会 社 法 で は 招 集 地 の 規 制 を な く し て い る 。 し か し 、 規 制 が な く な る

と い っ て も 招 集 場 所 を 自 由 に 選 定 し て よ い と い う わ け で は な い 。 従 来 も 招 集 場

所 の 選 定 は 招 集 地 の 中 で さ え あ れ ば 自 由 だ っ た わ け で は な く 、 た と え 招 集 地 内

で あ っ て も 一 般 株 主 の ア ク セ ス が 困 難 で あ る よ う な 場 所 や 発 見 が 難 し い 場 所 な

ど の 場 合 は 、 招 集 手 続 き が 著 し く 不 公 正 だ と さ れ 、 決 議 取 消 事 由 に な る と さ れ

て い た 。 新 会 社 法 で も 事 情 は 同 じ で あ り 、 招 集 場 所 の 選 定 に つ い て 招 集 地 内 と

(24)

23 る こ と に 変 わ り は な い 。

ま た 、 新 会 社 法 の 下 で も 、 招 集 場 所 に つ い て 定 款 で 別 に 定 め る こ と は で き る

と 解 さ れ て い る 。 し か し 、 株 主 の 出 席 を こ と さ ら 困 難 に す る と い っ た 定 め の 場

合 は 、 そ の 定 め 自 体 が 無 効 で あ る と 考 え ら れ る 。

2005 年 6月 17 日 に 開 か れ た ヤ フ ー の 株 主 総 会 で は 、 総 会 の 開 催 場 所 を 「 東

京 都 各 区 内 ま た は 神 奈 川 県 横 浜 市 」 と す る 定 款 変 更 を 提 案 し 、 承 認 さ れ た 。 定

款 に 総 会 の 場 所 を 記 載 す る 例 は 珍 し い 。 新 会 社 法 で 総 会 の 開 催 場 所 の 制 限 が な

く な る が 、 ヤ フ ー は 毎 年 出 席 者 が 急 ピ ッ チ で 増 え て い る た め 、 早 め の 定 款 変 更

で 株 主 が 参 加 し や す い 環 境 を 整 え た と い え る 。

( c ) 総 会 検 査 役

検 査 役 は 、 一 定 の 事 項 を 調 査 す る た め に 臨 時 に 選 任 さ れ る 機 関 で あ る 。 と く

に 、 株 主 総 会 の 招 集 手 続 ・ 決 議 方 法 の 調 査 の た め に 選 任 さ れ る 検 査 役 が 「 総 会

検 査 役 」 で あ り 、 請 求 を 通 じ 裁 判 所 に よ っ て 選 任 さ れ る ( 商 法 237 条 ノ 2第 1

項 )。

選 任 を 請 求 で き る の は 、 現 行 法 で は 株 主 だ け で ( 少 数 株 主 権 )、会 社 に は 認 め

ら れ て い な い 。 こ れ は 、 会 社 が 自 ら が 設 営 す る 総 会 に つ い て は 、 他 か ら 監 視 さ

れ る ま で も な く 当 然 に 適 正 で あ る と さ れ て い た か ら で あ る 。

そ の 他 に も 、 総 会 に 先 立 ち 選 任 を 求 め る 総 会 検 査 役 で あ る こ と か ら 、 会 社 自

ら が こ れ か ら 行 う 総 会 を 疑 っ て い る よ う な 印 象 を 与 え る 申 請 を 行 う こ と は 期 待

で き な い と い う 消 極 的 理 由 も あ っ た と 考 え ら れ る 。

し か し 、 総 会 の 公 正 さ を 客 観 的 に 担 保 す る こ と に な る 検 査 役 を 活 用 す る こ と

は 、 会 社 に も メ リ ッ ト が あ り 、 積 極 的 に 利 用 す る 権 利 を 与 え て し か る べ き だ と

考 え ら れ る 。

そ こ で 、 新 会 社 法 で は 、 総 会 検 査 役 の 選 任 は 会 社 か ら も 請 求 で き る こ と に し

て い る ( 新 会 社 法 306 条 1 項 )。 荒 れ る 総 会 や 内 部 対 立 の た め 、 後 か ら 決 議 取

消 と い っ た 訴 訟 の 提 起 が 予 想 さ れ る 場 合 な ど で は 、 活 用 の 価 値 が あ る と 思 わ れ

る 。

総 会 検 査 役 に よ る 調 査 結 果 は 裁 判 所 に 報 告 さ れ る 。( 商 法237条 ノ2 第2項 、

(25)

24

締 役 に 総 会 を 招 集 さ せ る こ と が で き る (「 総 会 招 集 命 令 」 商 法 237 条 ノ 2 第 3

項 、 新 会 社 法 307 条 )。

総 会 招 集 命 令 が 出 さ れ て 総 会 が 開 か れ る と 、 検 査 役 の 調 査 結 果 は 株 主 に 開 示

さ れ る 。 し か し 、 総 会 招 集 命 令 が 出 さ れ ず 総 会 が 開 催 さ れ な い 場 合 は 、 調 査 結

果 は 株 主 に 開 示 さ れ な い こ と に な る 。 し か も 、 総 会 が 時 間 や コ ス ト を 要 す る こ

と を 考 慮 す る と 、 裁 判 所 も 総 会 招 集 命 令 を 出 す こ と に 消 極 的 に な る と 考 え ら れ

て い る 。 こ の た め 、 せ っ か く の 検 査 役 に よ る 調 査 結 果 は 、 株 主 に 開 示 さ れ る チ

ャ ン ス が な い と い え る 。

そ こ で 、 総 会 招 集 命 令 を 出 さ ず と も 調 査 結 果 を 株 主 に 開 示 す る 別 ル ー ト の 制

度 化 が 望 ま れ て い た 。

新 会 社 法 で は 、 総 会 招 集 命 令 と は 別 に 、 必 要 が あ る と 認 め た 場 合 に は 、 会 社

に 対 し 調 査 結 果 の 内 容 を 総 株 主 に 通 知 す る よ う 命 ず る こ と が で き る も の と し て

い る (「 調 査 結 果 通 知 命 令 」 新 会 社 法 307 条 1 項 2号 )。

こ の 通 知 命 令 は 、 総 会 の 招 集 手 続 や 決 議 の 方 法 が 公 正 で な い 場 合 に 出 し う る

こ と は 当 然 で あ る 。 し か し 、 公 正 、 適 法 で 全 く 問 題 が な い 場 合 で あ っ て も 、 株

主 の 間 に 疑 念 が あ る と き な ど に 、 公 正 の 保 障 と し て 出 し て も ら え る か ど う か に

つ い て は 明 記 さ れ て い な い 。 ま た 、「 必 要 が あ る と 認 め た 場 合 」 と い う 要 件 に つ

い て は 明 瞭 で な い と い う 問 題 点 も 残 っ て い る 。 裁 判 所 の 弾 力 的 な 運 用 が 望 ま れ

て い る 。

( d ) 業 務 ・ 財 産 検 査 役

検 査 役 の 一 つ と し て 、 一 定 の 場 合 に 株 主 の 申 請 に よ り 会 社 の 業 務 ・ 財 産 の 状

況 に つ い て の 調 査 の た め に 検 査 役 が 裁 判 所 に よ り 選 任 さ れ る(「 業 務 ・ 財 産 検 査

役 」 商 法 294 条 1 項 )。

こ の 業 務 ・ 財 産 検 査 役 は 、 業 務 執 行 に 関 し 不 公 正 行 為 ま た は 法 令 ・ 定 款 に 違

反 す る 重 大 な 事 実 が あ る と 疑 う べ き 事 由 が あ る と き に 選 任 さ れ る 。 会 社 が 申 し

立 て る こ と は 考 え ら れ な い た め 、 新 会 社 法 で も 総 会 検 査 役 と は 違 っ て 会 社 の 選

任 申 立 権 は 認 め ら れ て い な い ( 新 会 社 法 358 条 )。 し か し 、 調 査 結 果 の 内 容 の

開 示 は 総 会 検 査 役 の 場 合 以 上 に 望 ま れ て い る 。 新 会 社 法 で は 、 総 会 検 査 役 の 調

(26)

25

て も 、 裁 判 所 は 総 株 主 に 対 し て 通 知 を 命 じ る こ と が で き る も の と し て い る ( 新

会 社 法 359 条 1 項 2 号 )。

( e ) 議 決 権 行 使 書

現 行 法 で は 、 株 主 総 会 に 出 席 し な い 株 主 が 電 磁 的 方 法 で 議 決 権 を 行 使 で き る

旨 を 、 取 締 役 会 の 決 議 で 定 め る こ と が で き る(商 法 239 条 ノ 3 第 1 項 、 新 会 社

法 298 条 1 項 4 号)。

ま た 、 大 会 社 で 株 主 の 数 が 1000 人 以 上 の 会 社 で は 、 総 会 に 出 席 し な い 株 主

に は 書 面 に よ る 議 決 権 行 使 が 認 め ら れ て い て 、 会 社 は そ の た め の 書 面 を 交 付 し

な け れ ば な ら な い ( 商 法 特 例 法 21条 ノ 3、 新 会 社 法 298 条 2項 、 新 会 社 法 301

条 1項 )。

し た が っ て 、 上 記 に 該 当 す る 会 社 は 電 子 投 票 制 度 を 採 用 し て 、 議 決 権 行 使 書

面 に 記 載 す べ き 事 項 を 電 磁 的 方 法 に よ り 提 供 し て い て も 、 そ れ と は 別 に 議 決 権

行 使 書 の 交 付 が 必 要 と な る 。

こ れ は 、 電 磁 的 方 法 で は 議 決 権 を 行 使 で き な い 株 主 も い る こ と か ら 、 出 席 し

な く て も 議 決 権 行 使 の 機 会 を 与 え る 趣 旨 の 書 面 投 票 制 度 の 代 わ り に な り に く い

か ら だ と 考 え ら れ る 。

し か し 、 電 子 投 票 制 度 を 創 設 し た 趣 旨 は 、 議 決 権 行 使 機 会 の 拡 大 の 他 に 、 コ

ス ト 削 減 や 定 足 数 確 保 と い っ た 狙 い が あ り 、 書 面 投 票 制 度 を 課 す の で あ っ て は

コ ス ト 削 減 等 の 趣 旨 が 失 わ れ る 。 ま た 、 両 方 に よ る 議 決 権 行 使 の 重 複 と い う 重

大 な 支 障 も 生 じ か ね な い 。

そ こ で 、 新 会 社 法 で は 、 書 面 投 票 が 義 務 づ け ら れ る 会 社 で も 、 招 集 通 知 を 電

磁 的 方 法 に よ り 受 領 す る こ と を 承 諾 し た 株 主 に 対 し て は 、 議 決 権 行 使 書 面 に 記

載 す べ き 事 項 を 電 磁 的 方 法 で 提 供 す れ ば よ く 、 議 決 権 行 使 書 を 交 付 し な く て も

よ い と し て い る(新 会 社 法 3 0 1条 2 項)。 こ れ ら の 株 主 は 、 電 磁 的 方 法 に 長 け て

い る の で 電 子 投 票 も こ な せ る と 考 え ら れ る か ら で あ る 。

し か し 、 な か に は そ う で な い 株 主 も 、 ま た 実 体 感 覚 に 優 れ た 書 面 に よ る 議 決

権 行 使 を 望 む 株 主 も い る 。 そ こ で 、 上 記 の 場 合 の 株 主 で も 議 決 権 行 使 書 面 を 請

求 す る こ と が で き 、請 求 が あ っ た と き は 会 社 は そ の 交 付 が 必 要 と な る( 同 但 書 )。

書 面 投 票 制 度 が 義 務 づ け ら れ る の は 、 現 行 法 で は 前 述 の 通 り 、 大 会 社 で 株 主

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